外壁塗装の正しい面積が適正価格の根拠となる理由
複数の業者から外壁塗装の見積もりを取ったら、塗装面積がバラバラだった。あるいは、坪数表記でそもそも塗装面積の表記がなかった。
こんな時、どういう基準で見積もりの正確性を判断すればいいのか迷ってしまいますよね?
外壁塗装の費用は建物の塗装をする面積から必要な塗料の量を計算し、それに人件費などを加えて算出されるものです。
ですから、正確な塗装面積がわからないと正確な見積もりも出せないのです。
この考え方を理解しておかなければ、一部のどんぶり勘定の塗装業者の言われるがままの見積もりで決めてしまう可能性があります。
この記事では、自分の家の外壁塗装面積の算出方法、外壁塗装面積を知ることで得られるメリット、塗装面積から価格を算出する方法などをお伝えします。
是非、参考にされて下さい。
1.勘違いしやすい!建坪と塗装面積の違い
1-1.建坪から正確な塗装面積は出せない
よく、外壁塗装の見積書を見てみると塗装する数値を「○坪」と表記する業者がいます。
これは一見消費者にはわかりやすい表記です。
ですが、坪数から正確な塗装面積を出すことができません。
外壁の高さ、窓や玄関といった開口部の面積、数等によって大きく塗装する面積は変わってくるからです。
坪数表記は消費者にとってわかりやすい為、目安として表記しておき、後から正確な塗装面積を出しなおす業者もいますあ、業者に頼んで貰った見積もりの表記が「○○坪○○円」のみだった場合は要注意です。
かならずしも坪表記の塗装業者が悪質というわけではありませんが、見積もりの根拠をしっかり納得できるまで説明してくれる業者を選ぶことが大切です。
1-2.建坪と塗り面積の違い
では、坪数と塗り面積の違いはどこにあるのか。それは「外壁の面積を算出しているかどうか」にあります。
坪数とは1階の床面積を表したものです。これは建築面積とも呼ばれ、家の床を塗装でもするのであればそれで良いかもしれません。
しかしながら、外壁塗装は建物の側面、すなわち外壁を塗装することです。建坪は全く関係のないものなのです。周りの家を見渡しても窓や玄関といった開口部の面積、数、外壁の高さ、バルコニーが付いているか付いていないかで塗装面積は変化するのです。
下の図を見て頂きたいと思います。
40坪の図の赤い点線がそれぞれ上と左に平行移動しただけであり、外壁塗装面積は変わらないのです。つまり、建坪は35坪と40坪と違いますが、塗装面積は変わりません。
このように、坪数は単なる床面積であり、塗装面積は坪数と比例しないことがわかります。
2.外壁塗装面積の正しい出し方とは?
2-1.外壁塗装面積の算出方法
外壁の塗装面積を算出する方法は2つあります。
実測をして算出する方法か、図面から算出する方法です。
まず、実測をして算出する方法から見ていきたいと思います。
・実測して算出する方法
実測で算出する場合、スケール(巻尺)と使用して外壁周りの長さ、外壁の高さ等の実寸を測ります。その他に、窓や玄関といった開口部が何箇所かあり、それぞれ大きさはどのくらいかを調べます。
スケール(巻尺)で実測することが主流でしたが、レーザー距離計というレーザーを利用して実測できるハイテク機器も出てきており、より正確な実測が可能となってきました。
画像出典:https://www.bildy.jp/
・図面から概算で算出する方法
図面から概算として算出する場合、延べ床面積から計算することができます。
概算には「延坪×3.3×係数=外壁塗装面積」という計算式を使用します。
係数の範囲は1.2から1.7ぐらいと言われています。
建坪が20平米で2階建ての家の外壁塗装面積を算出するとしましょう。まず、延べ床面積を出しますが、1階と2階がそれぞれ20坪とすると、総延べ床面積は40坪となります。
つまり、「40×3.3×1.2」といった計算式が出来上がります。計算してみると、158.4㎡という外壁塗装面積が出てきました。
延べ床面積: 20(坪)+20(坪)=40(坪)
(※1階と2階の述べ床面積がそれぞれ20坪の場合)
外壁塗装面積:40(坪)×3.3×1.2=158.4㎡
上記の方法で概算の外壁塗装面積を求めることができるのです。
しかし、この数値はあくまで概算です。窓や玄関といった開口部の数や大きさの違いによって外壁塗装面積に差が出てきます。
ある程度は自分で算出できますが、より正確に知る為には業者に実測してもらうか、次に紹介する「図面から算出する方法」をオススメします。
・図面から精密に算出
図面から算出する場合、家の平面図、立面図、矩計図(かなばかりず)、屋根伏図が必要となります。これらの図面は家を建てた時、買った際に業者、不動産から提出されているはずですので確認してみて下さい。
この4種の図面をもとに、CADというコンピュータで図面設計されたものから塗装面積を算出することが出来ます。
図面からコンピュータで計算して塗装面積を算出するものですから、精度が高い正確な数値が出てきます。
3.面積から算出した外壁塗装の価格例
ここで外壁塗装の価格例を建坪15坪の2階建てと建坪20坪の2階建ての家を概算で算出した数値を使って出してみたいと思います。
例)建坪15坪の2階建ての家の外壁塗装価格
30×3.3×1.2=118.8㎡
塗料代¥118,800~237,600
※アクリル塗料(1,000円~2,000円/㎡)を使用した場合の塗料代の相場です。外壁補修工事や足場代等は含まれていません。
例)建坪20坪の2階建ての家の外壁塗装価格
40×3.3×1.2=158.4㎡
塗料代¥158,400~316,800
※アクリル塗料(1,000円~2,000円/㎡)を使用した場合の塗料代の相場です。外壁補修工事や足場代等は含まれていません。
この数値はあくまで塗料代だけの価格例です。外壁補修工事、足場代、付帯部の塗装、人件費を含めるとさらに価格は高くなります。
4.外壁塗装で失敗しない為の業者の見分け方
4-1.良い業者の見分け方
いざ、外壁塗装をお願いしようと思ったときに、どの業者が良いか判断基準がなければ選別は難しいです。
お客さんの要望に応じ、いち早く見積書を持ってくる。一見とても対応の良い業者に見えますが、本当に良い業者なのでしょうか?
確かに、早い対応は素晴らしいことです。しかし、塗装面積の算出方法がおざなりになってしまっている場合もあるので要注意です。
前述の通り、塗装面積を算出する際は床面積の他に、外壁の高さ、窓や玄関といった開口部等を考慮しなければなりません。
業者のなかには、いい加減な算出方法により塗装面積を出していることがあるため、業者にどのように塗装面積を算出したのか、質問することが大切です。
また、業者が見積もりを作成する前に必ず現場調査を行います。その際、図面をコピーして持ち帰っているか、図面がない場合ちゃんと実測を行っているかを自分の目で確認することが大切です。
図面も持ち帰らず、スケールを(巻尺)等を使った実測もせずに帰ってしまう業者がいたら要注意です。
4-2.リフォーム図面を持つ
塗り替えで失敗しない為にはなんと言っても自分のものさしを持っておくことが重要です。
外壁塗装を業者に依頼する際、ほとんどの方が相見積もりをとられます。その際、塗装面積が業者によって異なるという話をよく耳にします。
塗装面積がバラバラで金額も全く違う。どの業者を信じたら良いのかわからない。そんな時の為に自分のものさしを持っていなければなりません。
自分のものさしとは何か。それはリフォーム図面を持っておくことです。リフォーム図面とは先ほどもお伝えした図面からコンピュータ上で設計したCADを用いて作成されたものです。
正しい塗装面積や樋の長さ、屋根の塗装面積まで算出することが出来ます。もちろん、実測の数値からCADを設計することも可能です。
リフォーム図面を自分のものさしとして持っておくことで、相見積もりを取った際にどこの業者が正しい数値を算出しているのか判断することが出来るのです。
例えば、3社から相見積もりを取ったとします。
A社は塗装面積が120㎡、B社は塗装面積が150㎡、C社は塗装面積が180㎡の見積もりを提出されたとします。
A社が正しいのか、B社が正しいのか、それともC社が正しいのか・・・。
このような場合、自分のものさしが無ければどれが正しい見積もりなのかどうかわかりません。
しかし、リフォーム図面を手元に持っておくことで、どれが正しい面積から算出された見積もりかを判断することが出来るのです。
リフォーム図面では塗装面積が150㎡と記載されていたとします。すなわち、B社が正しいと判断することが出来るのです。
このように自分のものさしを一つ持っておくことで正しい選択が出来ますし、路頭に迷うこともありません。
あくまで、面積の正確さの面からの判断基準です。見積書を判断する方法には他にも見るべきポイントがあります。
5.まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事では外壁塗装を依頼する時に、正しい塗装面積を算出して見積もりが作成されているかどうかを確認すべきということ、そして正しい塗装面積はどうやって算出するのかをお伝えしました。
リフォーム図面などの自分のものさしを持ち、相見積もりをとることで、自分の家の塗装面積はどのくらいで、外壁塗装をする場合の費用はどのくらいでできるのか判断基準となります。
この記事をきっかけに外壁塗装の塗装面積について理解いただければ幸いです。
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