コロニアルの屋根塗装をおこなう前に知っておきたい基礎知識
1.コロニアル屋根とは?!
そもそも、「コロニアル屋根」とは何でしょうか?同じ見た目の屋根でも人によっては「スレート瓦」と言ったり、「コロニアル」と言ったり、さらには「カラーベスト」と言ったり・・・どれが何なのか違いがわからない方もいらっしゃると思います。
コロニアルとは、スレート瓦の一種でクボタ松下電工外装株式会社から販売されている屋根材の商品名です。スレート瓦の中でも最も普及したため、スレート瓦を代表する名称としてコロニアルが使われるようになりました。コロニアルは日本瓦と比べ、軽量で安価なこと、また色彩が豊富で種類も多いことから、数ある屋根材の中でも一番普及しています。
(特徴)
・内容成分の85%がセメント、15%が石綿(2004年まではアスベストを使用)で構成されている。
・厚さが4.5mmと薄く、軽量である。
(メリット)
・安価である
・色や形状が豊富であり、現在の建築住宅に非常に多く使用されている。
(デメリット)
・寒さに弱く、寒冷地では使用不可。
(耐用年数)
・20年~25年
(塗替えの目安)
・7年~13年
2.このサインがあればコロニアルの屋根塗装を検討しよう!
屋根は高い位置にあるため、なかなか変化に気づきにくい場所です。ですが、同じ時期に建てたご近所のお家と見比べて「あれ?」と思うことがあれば、屋根塗装を検討するようにしましょう。屋根塗装が手遅れにならないためにも、塗替えを検討するサインをお伝えします。
2-1苔やカビの発生
コロニアルは、主成分がセメントのため、塗装することによって防水性を持たせます。しかし経年劣化により塗膜が劣化し防水性が低下すると、雨水や湿気によって苔が発生します。
苔やカビが生えても早急に塗装をする必要はありませんが、放置をすると屋根そのものの耐久性が低下してしまいます。
2-2.コロニアルの反り・ひび割れ
苔やカビが発生し、放置していると、コロニアルの防水性はさらに低下していきます。そうすると苔の発生では収まらず、瓦の「反り」や「割れ」が発生します。では、なぜ防水性が低下すると、「反り」「割れ」が発生するのでしょうか。例えば、雨や雪が降ったあとに、コロニアルが水を含んだまま凍ったり、夕立後の晴れ間に強い日差しで急激に乾燥したりすると、湿気と乾燥を繰り返し、その結果として瓦の反りにつながります。
コロニアルの反りをそのまま放置してしまうと、コロニアルの端がまつ毛のように反り上がってしまいます。そうすると台風などの横殴りの雨が降った際に、反り上がった小口から内部に雨水が侵入し雨漏りの原因となります。コロニアルが反っている、またはひび割れしている部分を見つけたら、塗替えを検討しましょう。
2-3瓦の滑落
コロニアルのひび割れを放置したままにすると、最終的にはひび割れしていた部分が滑落してしまいます。
コロニアルが滑落すると、滑落した部分の大きさによっては、瓦の下の防水材や防水材を止めている釘が丸見えになってしまいます。この状態のままでなにもせず放置をしてしまいますと、雨が降った際に雨水が釘穴をつたって、野地板に雨水が侵入してしまいます。そして最終的に雨漏りの原因となってしまうのです。野地板が腐ってしまうと、屋根の葺き替えをおこなわなければなりませんので、早急な対応が必要となります。
2-4.棟板金の浮き、釘抜け
コロニアルは屋根のてっぺんに棟板金と呼ばれるものがあります。釘抜けとは、この棟板金が気温の影響によって膨張や収縮を繰り返すことで、棟板金を止めている釘を一緒に押し出し、最終的に止めている釘が抜け落ちてしまうことです。これを放置しておくと、棟押さえが外れてしまい、いつの間にか下地材がむき出しになっていたというケースもありますので、棟板金が浮いていたり、釘が抜けていたりする場合には、早急にメンテナンスをするようにしましょう。
このように、コロニアルの屋根塗装を検討するには、いくつかのサインがあります。
しかしながら、なかなか変化に気づきにくい屋根の上。まずは、ご近所の家の屋根に比べ「色あせ」が気になった時には、コロニアルの防水性が切れている可能性がありますので、資格を持った専門業者に建物の診断をおこなってもらい、状況を見てもらうことをお勧めします。
3.コロニアル屋根の塗装工程
◇コロニアル屋根の塗装工程
(高圧洗浄)
高圧の水で苔、カビ・旧塗膜などを剥しきれいに洗い流します。
(ケレン)
棟板金のサビや汚れを落とすために、サンドペーパー等を使用して、汚れを落とします。
(下地処理)
ひび割れた部分など、不具合が出ているところを全て補修します。
(下塗り)
棟板金部分には錆止めを施し、コロニアル部分には、コロニアルに適した下塗り剤を塗布します。
(縁切り)
コロニアルの小口にタスペーサーをいれていきます。
(中塗り・上塗り)
下塗りが乾いてから中塗り、上塗りの工程をおこないます。
4.縁切りの重要性
下塗り後におこなう縁切りは非常に重要な工程になります。下塗り後、コロニアルの小口にタスペーサーを挿入し縁切り作業をおこないます。縁切りは、「毛細管現象」による漏水を防ぐために、必要な作業となります。縁切り作業をおこなわないと、屋根材との隙間に湿気が溜まってしまい、屋根材が腐食するスピードが速くなってしまいます。
5.まとめ
多く普及しているコロニアル屋根ですので、ご自宅の屋根がコロニアルという方も多いのではないでしょうか。コロニアルの場合必ず必要な工程の「縁切り」業者によってはおこなわない場合もありますので、事前に必ず確認をするようにしましょう。確認をすることで、後々の不良施工を未然に防ぐことができます。
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《施工エリア》
宗像市、福津市、古賀市、鞍手町、直方市
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